ピロリ菌と胃がんの関係

ピロリ菌は胃がんのリスク要因

ピロリ菌は胃がんのリスク要因と言われています。胃がんは部位別死亡数でも上位を占める疾患です。そして胃がん患者では、高い確率でピロリ菌が検出されることが報告されています。
※WHO IARC(国際がん研究機関)報告書より

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感染から胃がん発生まで

ピロリ菌に感染すると、表層性胃炎から萎縮性胃炎となり、これが胃がんの発生母地となります。さらに進行すると腸上皮化生になることもあります。萎縮性胃炎の段階で除菌治療をするとがんのリスクは1/3程度に減ると言われていますが、腸上皮化生になるとリスクの低下は期待できないと言われています。

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日本人に多い胃がん

胃がんは、胃の内側の粘膜の細胞の突然変異によって発生します。とくに日本人に多いといわれ、主な部位別のがんでは罹患数、死亡数ともに第3位です。
※国立がん研究センター「がん情報サービス」より

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胃がんの治療費

がんの治療には診察費のほか、検査費や入院費、手術、放射線治療、薬物療法などさまざまな費用が必要になります。健康保険に加入していれば、高額療養費制度や傷病手当金などの医療費の負担を軽くする制度はありますが、がんの進行度によっては負担が多くなる場合があります。

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早めの除菌治療でリスクが減らせる

ピロリ菌に感染して、胃炎を患った年月が長ければ長いほど、胃がんのリスクは高くなります。下の図は除菌治療した年齢によって、がんの発症リスクが変化することをあらわしたものです。25歳で除菌治療をしたAさんと、55歳で除菌治療したBさん。二人の間に大きな差があります。この図からは若いうちに除菌治療すれば、一生涯にわたって、がんを予防できることがわかります。早ければ早いほど、リスクを下げられるのです。

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ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌の除菌は、一般的には胃酸分泌抑制剤と抗生物質2種を用いた治療法で行われています。これまで除菌治療の保険適用は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気のみが対象でしたが、2013年からピロリ菌感染による慢性胃炎も対象になりました。これにより胃がんの死亡数は減少傾向にあります。今後除菌治療を行う人が増えれば、日本から胃がんを大幅に減らすことができるかも知れません。

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除菌治療の流れ

ピロリ菌尿中抗体検査で(+)判定となった場合、胃内視鏡で精密検査とピロリ菌感染診断を行います。そこで陽性の診断がおりると、保険適用の除菌治療ができます。除菌が成功すれば経過観察、失敗の場合は二次治療となります。自覚症状のない場合の内視鏡検査は、原則保険適用外となります。

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