真犯人はピロリ菌※1
ピロリ菌という言葉を聞いたことはありますか? 実はこのピロリ菌が胃がんの発生要因※2のひとつと言われています。幼少期に、この菌に感染すると、将来ほとんどの人が胃炎を発症します。そして胃炎を起こしている期間が長ければ長いほど、胃がんのリスクが高くなると言われています。年齢が若い時期にピロリ菌を調べ、見つかった場合は適切な除菌治療※3を行なう。これが将来、胃がんのリスクを軽減することにつながります。早ければ早いほど、つまり若ければ若いほど、効果は絶大なのです。
- ※1正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」人の胃粘膜に定着する細菌
- ※2一部の胃がんを除く
- ※3胃炎と診断された場合に健康保険の適用
ピロリ菌はいつどこで感染するの?
かつては井戸水や川の水の飲用などによる感染がほとんどでしたが、上下水道の整った現代では感染率は下がっています。それでも感染者がゼロにならないのは、親族による経口感染が要因と言われているためです。家族に感染者がいる場合は同じように感染している場合が多いと言われています。ほとんどの人は幼少期に感染します。
胃がん検診、50歳からでは遅すぎる
一般的に健康保険に加入した人が胃バリウム検査を受けられるのは35歳から※1で、国が推奨する胃がん検診を受けられるのは50歳※2です。それまで感染に気付かず放置したままでいると、萎縮などで傷ついた胃が、がんの発生源となる恐れがあります。50歳で除菌しても元の状態には戻りません。だからこそ若くて健康なうちに対策をとる必要があるのです。
- ※1協会けんぽ:生活習慣病予防健診の胃部レントゲン検査
- ※2厚生労働省HP:がん対策情報より